訪問歯科とは?VISIT DENTISTRY
健康寿命の延伸のため
計画的な口腔管理を実施
訪問歯科とは、ご自宅や介護施設にいる患者さんのもとに歯科医師と歯科衛生士が訪問し、必要な治療や口腔ケアを行う診療方法です。体が不自由になり歯科医院へ通うことができなくなった方を対象としたサービスで、その目的は患者さんの健康寿命の延伸です。
近年はQOL(生活の質)を維持するために、口腔ケアと摂食・嚥下リハビリテーションが重要であることがわかってきています。噛む動作は脳への刺激となり、口腔内を清潔にすることは誤嚥性肺炎などの病気の予防につながるため、患者さんが少しでも長くご自身の口から物を食べられるようにお手伝いするのが訪問歯科の最大の意義といえるでしょう。
たとえ通院できなくなったとしても、健康への意識を持ち、口腔管理を引き続き担当してくれる人を見つけてほしいと考えています。
診療の際は事前に訪問スケジュールを立てるのが一般的で、当院で口腔ケアを実施する場合は月に最大4回まで対応可能です。
このような方・ご家族は
是非ご相談ください
- 歯科医院への通院が困難になった
- 歯科衛生士による口腔管理を長い間受けていない
- 介護保険の認定を受けた
- 食べ物をうまく飲み込めず、むせることが増い
- 入れ歯が合わない、もしくは壊れてしまった
- 歯の痛みや歯茎からの出血するが頻繁にある
- 口臭が以前よりも強くなった
- 手術を控えた周術期にあり、体力や免疫力を高める必要がある
オーラルフレイルと訪問歯科
口腔と全身の健康には、オーラルフレイルが大きく関係しています。
フレイルとは「虚弱」の概念を指す言葉で、加齢やストレスなどによって身体機能や抵抗力が落ち、放置すると要介護状態になりやすい状態のことをいいます。これがオーラルフレイル、つまり口腔機能の衰えに発展すると偏食や低栄養を引き起こし、サルコペニアの悪循環に陥ってしまうのです。
サルコペニアとは全身の筋量が減少し、筋力が低下する病態のことで、筋肉量が減少するとおのずと運動量も減ってしまいます。舌の厚みは上腕筋量と、舌の力は骨格筋量との相関があり、これらが失われることにより咀嚼力も低下します。すると食欲が減退し、さらなる低栄養状態を招いてしまうことになりかねません。
一見健康に問題がないように見える人でも、病気、転倒によるけが、何らかの障害などさまざまなリスクを持っていますので、医師や歯科医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、ケアマネジャーなどの他職種が一体となり、未病の段階から患者さんの口腔と全身の健康を守っていくことが大切です。胃ろうの方が熱心に治療に取り組んだ結果、口から物を食べられるようになる可能性もあり、口腔ケアには終わりがないこと、一人の患者さんと長くお付き合いする重要性を実感しています。
訪問歯科の検査・治療INSPECTION / TREATMENT
訪問歯科では摂食・嚥下障害を診断するために、30秒間の空嚥下の回数を測定する反復唾液嚥下テスト、冷水を飲んだときにむせるかどうか、また飲み方は適切であるかを評価する水飲みテスト、スプーン1杯分のプリンを食べて食塊形成や咽頭への送り込み方を調べるフードテストなどを簡易検査として行います。
さらに詳しい検査が必要な場合は、嚥下内視鏡検査(VE)によって咽頭部の状態を観察し、食べ物を摂取したときの喉頭蓋の反射能力を内視鏡を通して確認します。また、嚥下内視鏡検査は診断時の検査以外に治療中の再評価を行う上でも有用で、検査結果を踏まえてさまざまな形態の食べ物を試していきます。
治療では、死因別全身疾患の上位にある病気との関連性が深い口腔管理、口腔ケア、摂食・嚥下リハビリテーションの3つが柱になります。基本は口腔ケアブラシによる清掃を行い、口腔内の乾燥が目立つ場合は、口腔ケアジェルや人工唾液を使って口腔内の殺菌、粘膜の抵抗力の向上、誤嚥の予防に努めます。循環器疾患の薬を飲んでいるご高齢の方は唾液の分泌が悪く、乾燥による歯肉炎を発症しやすいため、口腔ケアと保湿を併用することも重要です。また入れ歯の患者さんに多い口腔カンジダ症に対しては、薬剤によって原因である真菌を減らします。摂食・嚥下リハビリにおいて中心となるのは、口腔筋のトレーニングです。代表的なものとして、反射機能の回復を図るためのマッサージである間接訓練、実際の介護食を使い、やわらかい物から固形の物へ徐々に形態を変える直接訓練、咽頭の筋肉を鍛えて食道の入り口を広げる頭部拳上訓練(シャキア法)などがあります。
訪問可能エリアAREA
- ·緑区
- ·天白区
- ·南区
- ·瑞穂区
- ·昭和区
など名古屋市市南部
- ·豊明市
- ·大府市
- ·東海市
- ·刈谷市
- ·東郷町
右記地図は目安です。当院所在地から16キロ圏内でしたら対応可能なので、一度ご相談ください
ご利用の流れFLOW
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お問い合わせ
訪問歯科診療をご希望する病院や施設従事者の方(看護師や介護士の方)、ご家族の方は、当院までご連絡ください。お電話の際には「訪問部」につなぐようお伝えください。
お問い合わせ : 0120-415-218
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訪問日時の調整
お電話でご要望を伺いつつ、訪問歯科についてのご説明や治療方針を検討していきます。その後、具体的な訪問日時をご調整いただきます。
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初回訪問
必要な治療器具を用意し、お部屋まで治療に伺います。患者さま、ご家族へ説明をし、具体的な検査・治療をさせていただきます。
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定期的な健診と
口腔ケアの指導治療後もご要望に応じて定期的な検診のスケジュール立て、継続的な健康管理のお手伝いをさせていただきます。
費用についてFEE
・要介護(要支援)認定を受けている場合、訪問歯科には「健康保険」「介護保険」「障がい者手帳」等の保険が適用されます。
・診療日と別に、交通費や出張費はかかりません。
・まずは無料で受信できる歯科健診からご相談ください
健康保険
福祉医療証をお持ちの方は
無償になります。
福祉医療証をお持ちでない方は定率1割の自己負担があります。 (現役所得者は3割)
[1割負担の場合の料金例]
介護保険
352円~854円
生活保護を
受給されている方の場合
自己負担無しで診療を受けることができます。
お住まいの市区町村の福祉事務所か担当の歯科医院で「医療券」の発行申請を行いましょう。
要介護(要支援)認定を受けられている方は「介護券」の発行も必要となります。